Soma
(日本)
「Knock! Knock! Knock!」(07年作)
1.ハロー! 2.SING A SONG 3.ポラリス 4.アシオト 5.SUKI
6.浪漫飛行 〜another mix〜(gift track/米米CLUBのカヴァー)
男女3人組ポップスバンドの3rdミニ。
某複合量販店にて、新古品の9割引きセールの対象商品として
販売されていたので購入してみた。
ネットで調べた所、06年に結成されたバンドで、
元「SCREAMING SOUL HILL」の粂井宏昭(Dr.)がメンバーとして参加している。
自主レーベルからミニアルバム2枚をリリースした後、07年にメジャーデビュー。
同年にリリースしたJ-POPのカヴァー作「Essence of life "smile"」のヒットにより、
TV、ラジオ等で多数取り上げられる。09年にVo.とGt.が脱退。
10年に2枚目のカヴァー作をリリースして以降は動向が不明で、
解散、自然消滅、または活動休止といった明確な情報を得る事は出来無かった。
ネットでは楽曲の音楽性に関して、詳細に紹介している所は無かったが、
差し当たり、彼等の楽曲はオーガニック系の範疇で語られるモノの様だ。
オーガニック系の音楽に関して説明すると、
『一般的にはアコースティックベースで余計な音が入っていないモノ、
デジタル的な音処理や幾重にも重ねたエフェクト等の
機械を駆使した処理をしていないモノといった
昨今の音楽の多くに付加されている要素を排除、もしくは極力抑えた
生音に近い音で、なおかつナチュラルな素の感覚を
兼ね備えた様な音楽の事を指す』
『概念的にはヒーリングミュージックの延長上で、音圧至上主義の音に
疲れた人が好んで聴く歌入りのイージーリスニングと言った所。
楽曲的にはクラシカルなモノではなく、ポピュラーミュージックに
近くて、民族音楽も含まれる傾向にある』
という事である。
難しい言葉を使わず、端的に解釈するなら、
『アコースティックベースのポピュラーミュージック』
といった所だろう。
1曲目はスロー〜ミドルテンポ曲。序盤は脱力感の有る、ゆったりとした雰囲気での
スローテンポ進行。途中から徐々にテンポアップし、南国風のライトな雰囲気へと
移り変わる。楽器陣は早足な演奏を展開。Vo.は曲のテンポに合わせて
ペースが変わるものの、終始朗らかかつ伸びやかな歌い回しを聴かせる。
2曲目は笑顔という言葉が似合いそうな、ポジティヴにライトな雰囲気を持った
ミドルテンポ曲。歌メロはキャッチーで、楽器陣の演奏にはコミカルなノリが感じられる。
3曲目はクリスマスソングなミドルテンポ曲。
サビは何処かで聴いた事が有る様なメロディーだな。
4曲目は楽器陣が賑やかかつ楽しげな、催し物を思わせる雰囲気と
踊る様な躍動感のグルーヴを放つライトなミドルテンポ曲。
5曲目はスロー曲。序盤はアコギが奏でる憂いを含んだ哀愁メロに乗せて
Vo.が歌う。途中からリズム隊とGt.が加わり、ドラマティックさが加味される。
また、メロディーも憂いを帯びた日常的メロディーへと移り変わるぞ。
中盤、Key.が加わり、ちょいとサイケデリックな所も感じさせるか。
ラストの6曲目は「米米CLUB」のカヴァー。
原曲と違い、ゆったりとした仕上がりになっている。
一般リスナーにも親しみ易い、高品質な楽曲が揃っており、
ポップス者にオススメ出来る作品だと言えよう。
ただ、惜しむらくは核となる曲が無い事。それが残念。
ロック者の馬徳としてはちと物足りなさを感じたので点数は下記の通りだが、
ポップス者なら80点越えの評価を出してもおかしくないと思うぞ。
評価 77点
2がオススメだ。