UNITED
(日本)
「RELOAD」(97年作)
1.UNTIED 2.SKIN-DEEP 3.SHAMELESS 4.THRILL KILL 5.MONKEY BRAINS
6.MOURNING 7.I.O.U. 8.EX-FRIEND 9.SUICIDE?
10.MATA 11.SLAVE 12.STYLE
5人組スラッシュメタルバンドの4th。
10年1月25日のDiaryで記した、35枚購入した内の1枚である。
ネットで調べた所、その歴史は古く、結成は81年。
「JUDAS PRIEST」の6thに収録の「UNITED」から命名されたという。
初期の彼等はメロディアスなパワーメタルを演っていたそうだが、
その後、スラッシュメタル色を強めていく。
前作の3rd「N.O.I.Q」でメジャーデビューを果たした彼等だが、
86年以来、バンドを支えてきた古井義明(Vo.)が脱退。
無名の新人ヴォーカリスト稲津信一を迎えた新体制の下、今作が制作された。
今作の音楽性に関して、ネットの情報をまとめてみた所、
リフ主体の攻撃的なスラッシュメタルで、稲津の咆哮型のVo.を
生かすためか、少々モダンなアプローチが目立つ。
現代的なヘヴィネス、ハードコア的な感覚を取り入れた事により、
旧来の要素と新しい要素が上手くブレンドされた作品に仕上がった。
・・・という感じだそうです。
1曲目はダークな雰囲気を演出するリフで始まり、本編は
グルーヴを放つうねるリフを軸に緊迫感を感じさせ進行する。
スリリングなギターリフが聴ける2曲目はドタバタとしつつも
殺伐としたアグレッシヴな爆走を展開。途中、ギターリフが
ダーティーな雰囲気を演出するパートに展開し、最後は再び爆走。
カオスの度合いを濃くした爆走は狂気を感じさせ、
Vo.の咆哮、弾き回されるギターソロが拍車を掛ける。
3曲目の走曲はダークで不穏な雰囲気が漂い、力強い進行を聴かせる。
4曲目は頭突きで瓦割りをブチかます様な縦ノリリフが聴ける。
ツーバス踏んでドコドコ聴かせるけど、弱々しいなあ。
コーラスはムキムキのマッチョマンがポージングを
取っている様な感じで笑えるな。
6曲目は妖しげかつ怪しげで不穏な雰囲気をGt.が演出。
スローテンポで進行し、Vo.の歌い回しも雰囲気を助長しており、
ちょいと中東風っぽい感じもするな。
バンドサウンドが加わるとミドルテンポでダークな進行を展開する。
7曲目は緊張感を感じさせるサントラっぽい感じのミドルテンポ曲。
Vo.無しのインスト曲でも良いかもなあ。
8曲目はちょいとロック寄りでハードな進行を聴かせるミドル〜走曲。
静寂を感じさせる前半のパートはスラッシュメタルでは聴いた事の無いモノ
なので面白いな。後半でダークなモノに展開してしまうのが
勿体無いくらいだ。全パート前半の様に展開すれば良かったのに。
10曲目はミドルテンポで重戦車の様な進行を展開と思いきや、
何故か脱力する様にグニャンとした部分が出て来る。曲が一度終わったので
短いインストかと思いきや、新たなパートが始まる。今作の中では
軽快さの有るバンドサウンドでスリリングに進行する。
で、また曲が終わって今度こそ終わりかと思ったらまた新たなパートが。
今度のは前のパートを若干ハードにした感じだが短い。
ラストの12曲目は組曲っぽい感じの曲だが、多様なパートが
有るという訳ではないな。
楽曲は1曲1曲ならともかく、通して聴くとダレを感じてしまった。
8曲目の前半のパートは意外性が有って良かったんだけどねえ・・・。
「似た部分が多くて多様性に乏しい」という、
この手の音楽性によく有る悪い所が出てしまった作品だと思うのは
馬徳がメロディー派だからだろうか?
評価 70点
2,3,4,8がオススメだ。